リン酸の語り処

遊戯王OCG考察・構築案の物置です。

「7」の謎 -神話・宗教的な側面での考察-

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本日は「7」学会・宗教学派の発表会へご出席いただきありがとうございます。

本発表につきまして、有用なコンボやデッキレシピ等の提供は一切行っておりません。予めご了承ください。

 

はじめに

皆様は数字が特別な意味を持つことをご存じでしょうか。

例えば、日本においては「8」は末広がりで「めでたい」という意味で歓迎される数字であり、一方「4」は「死」を表し忌み嫌われる数字です。

また、数字が複数並ぶことによって、単独での意味とは異なる意味を持ち始めます。例えば、「0」は「無」を意味し「9」は「苦」を意味しますが、「0-9」と並べると「始まりと終わり」という新たな意味が生じてきます。

 

このような特別な意味を持つ数字の内、「666」というものを皆様はご存じでしょうか。

皆様の中でも博識の方であればご存じでしょうが、この数字には「フリーメーソン」や「黙示録の獣」などの複数の意味があります。

その中でも「悪魔」という意味があるのをご存じでしょうか。ここでの「悪魔」というのは人を惑わす存在であり、「」によって討たれる」より下位の存在のことです。

」は「悪魔(666)」を超えるものであり、「777」が「」を意味することもあります。

 


さて、皆さんはこうした特別な意味を持つ数字が遊戯王のカードデザインに用いられていることをご存じでしょうか。

例えば、「真竜皇V.F.D.」は「黙示録の獣」をモチーフとしてデザインされており、カード名が「666」を意味する「V.F.D.」となっています。

では、「666(黙示録の獣、悪魔)」を超える「777(神)」を意味するカードとはいったいどんなカードなのでしょうか。

 

勘の良い皆さんなら既にお気づきでしょう。そうです、そのカードとは「7(セブン)」です。

つまり、「7」は「」のカードなのです。

 

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この「7」というカードですが、3枚発動することにより3ドローを行うといった非常に強力な効果を有しています。しかし、その代償として「7」は自壊してしまい、この破壊は現在あらゆる手段をもってしても止められないと言及されています。


何故「7」は「」のカードであるにも関わらず、3枚のカードとして分かれているのか。ドローと引き換えに自壊してしまうのか。何故この破壊はあらゆる手段でも防ぐことが出来ないのか。

今回はこちらについて深く考察を進めていこうと思います。

 

「7」が3枚に分かれている理由

このことを理解するうえで、遊戯王で有名な「」のカードである三幻神が大きなヒントになります。

 

まず三幻神とは、ホルアクティによって創造された3体の幻神獣です。その3体を生贄にすることにより、勝利をもたらす光の創造神であるホルアクティが降臨します。

つまり、強大すぎる「」の力を3つに分割することで、人である決闘者(プレイヤー)がコントロールできる形にしていると言い換えられます。これと同様に、「7」も強大すぎるその「神(777)」の力を3つに分割しているということをご理解いただけると思います。

 

「7」の自壊について

次に「7」の自壊についてお話していきます。

皆さんは「遊戯王GX」において「ラーの翼神龍」が登場する回をご存じでしょうか。ご存じない方のために軽く説明すると、「ラーの翼神龍」のコピーカードを用いる相手が「神縛りの塚」を用いて「ラーの翼神龍」の力をコントロールし、主人公を追い詰めるというものです。

 

ここで、以下の重要な事実が浮き彫りになります。

・「神」のカードは特別な手段または才能が無くては制御できない

・「神」のカードを制御しきれなかった場合、その力は暴発する

 

このことを「7」に当てはめてみると、特別な手段も才能も持たない只人である決闘者は「」の力を制御できず、その力の暴発は必至であるということが分かります。

つまり「7」の自壊する理由とは、決闘者によって抑え込むことが出来なかった「7」の持つ「」の力の暴発であると言えます。

 

「7」のドローと回復効果について

こうなると新たな疑問がわいてきます。

何故「7」はドローと回復を発生させるのでしょうか。「」の力の暴発であれば、罰が下るのならまだしも何故恩恵が生じるのでしょうか。

その謎を紐解くヒントについては、カードゲームの大御所である「マジック・ザ・ギャザリング」と「神話における神代の終わり/人の時代の始まり」にあります。

 

マジック・ザ・ギャザリング」ではデッキはライブラリと呼ばれ、知識の源泉として扱われます。ドローはその知識の源泉から知識を得ること、つまり知恵を付けることと表現されています。

このことを「7」に当てはめると、「7」はその効果によって「決闘者」に知恵を与えると同時に、恵み(活力)を与えると言えます。

 

次に「神話における神代の終わり/人の時代の始まり」について見ていきます。神話において、神は滅び人が生き延びることで人の時代が始まるという記述が度々見受けられます。その際に、人が暮らしを築くために神の骸を糧とすることも珍しくありません。

このことを「7」に当てはめると、「7」は力の暴発によって滅び去ると同時に、その「」の骸が我々「決闘者」の糧となり還元されていると言えます。

 

ここまで言えば聡明な皆さんならお分かりだと思いますが、改めてまとめます。

7」の持つ「」の力は我々「決闘者」には制御しきれず暴発し、「」の残骸だけが残ります。しかし、その「」の残骸は我々「決闘者」に知恵(ドロー)と恵み(回復)をもたらしてくれる、そう読み取ることができるのです。

 

「7」に関する新説

「7」は「神」のカードであることは皆様もご理解いただけたと思います。では最後に、新たに判明した意外な事実をお話しさせていただき、この発表を〆たいと考えます。

その事実を語るうえで、話をかなり戻させていただきます。「」は「悪魔」を討つものであり「悪魔」より上位の存在であること、遊戯王において三幻神が有名な「」のカードであることはすでにお話ししたと思います。

 

では、遊戯王において有名な「悪魔」のカードはどのカードでしょうか。皆さんは様々なカードを「悪魔」のカードして思い浮かべるでしょうが、「」である三幻神に対応する存在として「悪魔」を定義した場合、「悪魔」のカードは一つに絞られます。

そう、それは三幻魔です。「」である三幻神に対応した似姿をもつ「悪魔」である三幻魔は、「」より下位の存在であると言えます。

 

三幻魔は魔法・罠・モンスターをそれぞれ3枚墓地へ送ることで降臨します。しかし皆様、三幻魔が生贄にするカードの種類はどのように決まっているのか疑問に感じたことはないでしょうか?

三幻魔の体の色に対応しているのであれば、ウリアが罠に対応していることは納得できます。そうなると、青い体を持つラビエルが魔法に、黄色(通常モンスターの色)の体を持つハモンがモンスターに対応するはずです。しかし、実際は、ラビエルとハモンの対応は逆になっています。

この謎を解くヒントはハモンの特殊性、というよりハモンに対応した「ラーの翼神龍」の特殊性にあります。「ラーの翼神龍」の特殊性とは、三幻神の中で最上位の神であるということです。つまり、その「ラーの翼神龍」に対応したハモンも三幻魔の中で最上位の「悪魔」であると言えます。

 

では、何故最上位の「悪魔」であるハモンが永続魔法を生贄に求めるのでしょうか。それは「7」が永続魔法であるからです。

7」は永続魔法であり、ハモンの生贄の条件を満たしています。しかし、神のカードたる「7」を3枚をフィールドに留めておくことはできません。可能な限り「7」を生贄にしたとしても、「7」2枚と「7」ではない永続魔法1枚が生贄になります。

つまり、完全な「」の力を得ることは不可能であり、一部が欠けたものになってしまいます。

 

このことは「777(神)」からすべての数字が1だけ欠けた不完全な「666(悪魔)」ではなく、「777(神)」から一つの数字が掛けた「77」を不完全なものとし「悪魔」を表現していると言えます。

つまり、永続魔法3枚を生贄にするということ自体が「悪魔」をあらわしており、この召喚方法は最上位の「悪魔」であるハモンにふさわしいものであると言えます。

 


それでは皆様、記事を読んでいただきありがとうございました。これにて「7」学会・宗教学派の発表を〆させていただきます。

長い時間お付き合いいただき、誠にありがとうございました。更なる「7」学会の発展を願い、終わりの言葉とさせてもらいます。