年内に書き上げようと思っていたら年が明けていました。時間の流れの早まりを感じる今日この頃、リン酸と申します。あまり絡みのない方は是非これから、以前より遊んでくださる方はこれからも。今年も何卒よろしくお願いします。
さて、今回は一応3部作と銘打っていたもののラストになります。いつの話かは忘れましたが。以下の2つの記事にも目を通してくださると喜びます。読め。
今回紹介するデッキですが、呪眼サポートを駆使して《眠れる巨人ズシン》の降臨を狙うデッキとなります。あまり見られない形には組み上げられたと思うので、この記事を通して何かの手助けにでもなれば幸いです!
【呪シン】(2021.4月制限適用)
主な動き
ズシン降臨のための準備
このデッキで目指す到達点は《眠れる巨人ズシン》の降臨になります。テキストは以下の通りで、召喚さえできれば殆どのモンスター相手に負けることはない強力なモンスターです。
ズシン降臨のためにはレベル1通常モンスターを用意しつつズシン本体を手札に抱える必要があり、中々ハードルは高めです。加えて、レベル1通常モンスターを複数ターンに跨って維持する前提のため、更に難易度は上がります。
そのため《青天の霹靂》で召喚条件を踏み倒したり、ループコンボを駆使して1ターンで降臨させる方法がズシン学会でも主流とされています。しかしその定説を覆すようなある理論が学会に提出されました。
🤔「めちゃくちゃ硬いレベル1通常モンスターなら何ターンでも粘れるのではないだろうか」
単純な話ですが、めちゃくちゃ硬いレベル1通常モンスターであれば5ターンでも10ターンでも耐え抜けます。おそらく原作でもそんな感じだったはず。
そして、この理論を証明するために選ばれたレベル1通常モンスターがこちら。
呪眼ネームを冠するため、《セレンの呪眼》により「戦闘および効果破壊耐性を持ち、対象にも取られないズシンの贄」として居座ることができます。カオスMAXと同じ耐性持ちと表現すると、その強さがより分かりやすいかと。
そして上記に挙げたズシン・《眷現の呪眼》・《セレンの呪眼》は《聖騎士の追想 イゾルデ》をリンク召喚するだけで簡単に揃います。まとめると以下の通り。
① 《聖騎士の追想 イゾルデ》をリンク召喚して《眠れる巨人ズシン》をサーチ
② イゾルデの効果で《焔聖剣-デュランダル》を落としつつ戦士族チューナーを特殊召喚→《水晶機巧-ハリファイバー》をリンク召喚して《ヴァイロン・スフィア》を特殊召喚
③ 《リンクリボー》をリンク召喚してスフィア効果で《焔聖剣-デュランダル》を装備→《焔聖騎士-ローラン》をサーチ
④ 相手ターンにハリファイバー効果で《焔聖騎士導-ローラン》をシンクロ、効果で《ゴルゴネイオの呪眼》を落としてズシン+《焔聖騎士-ローラン》で《セレンの呪眼》をサーチ
⑤ 《ゴルゴネイオの呪眼》の効果でセレンを捨てて《眷現の呪眼》をサーチ
この動きにより「ズシン×2,眷現,セレン」の組み合わせが揃うため、セレンを装備した呪眼の眷属トークンが生み出され、5ターン待てばズシンが降臨する流れとなります。
「イゾルデ=ズシン」が成り立つため、イゾルデに収束するカードが全て初動になり、かなり安定してコンボを狙いに行けるのが強みです。 上記のようにイゾルデから準備を整えつつ、防御手段を用意して安全にズシン降臨を狙っていくのが主な動きとなります。
初動となるカード
fig.1 初動となるカード一覧
上に示しているのが本デッキにおける初動となり得るカードとなります。焔聖騎士の動きを中心としてイゾルデを立てるのが基本となり、《昇華騎士-エクスパラディン》または戦士族2体が揃うと「イゾルデ→ズシン」の動きへと繋がります。
特筆するとすれば《おろかな副葬》の存在ですが、これは副葬から《U.A.ペナルティ》→《U.A.フラッグシップ・ディール》→《U.A.ファンタジスタ》へとアクセスできるためです。《U.A.ペナルティ》は墓地に送られたターンでもすぐに発動できるため、このデッキで重要となる《おろかな副葬》が初動となるのは非常に大きいです。
このU.A.の動きですが、後述する防御手段の1つである《U.A.パーフェクトエース》にも繋がるため、初手に副葬があれば積極的に狙うようにしています。
防御手段について
ここではズシン降臨のために採用している防御手段について紹介していきます。
呪眼の眷属トークンは強固である代わりにセレンの呪眼には耐性がないため、装備魔法側を狙われると簡単に崩れてしまいます。そのため本デッキでは、セレンの呪眼の破壊を防ぐため以下に示す防御札を採用しています。
① 《真紅眼の黒刃竜》
② 《U.A.パーフェクトエース》
③ 《天威無双の拳》《禁じられた一滴》
① 《真紅眼の黒刃竜》
装備カードを用意しやすい焔聖騎士とは非常に相性がいいカードであり、本デッキでは最優先となる防御手段です。無効効果にターン1の制限が無いのが非常に強く、戦闘面以外ではこのカードだけでおよそケアが可能です。自分のカード効果も無効にできるため、《焔聖騎士-モージ》を付け外しする事でドローエンジンとしても機能するのが気に入っています。
出し方としては《切れぎみ隊長》→《サクリファイス・アニマ》を経由して《憑依覚醒-デーモン・リーパー》に繋げて《ドロドロゴン》からの融合召喚、といった流れになります。《切れぎみ隊長》で《ヴァイロン・スフィア》を蘇生して上記の流れに繋がると、《焔聖剣-デュランダル》を装備して融合素材の戦士族を供給できるため無駄がありません。
② 《U.A.パーフェクトエース》
相手ターンのみですがカード効果を無効にできる非常に優秀な効果を有しており、文字通りのパーフェクトを誇ります。戦士族のため焔聖騎士のサポートを受けられ、自身の耐性についても申し分ありません。
上記の初動一覧で《おろかな副葬》→《U.A.ファンタジスタ》へ繋ぐ動きを紹介しましたが、《クロシープ》や《地霊術-「鉄」》の効果でファンタジスタを蘇生すると《U.A.パーフェクトエース》へ変換できます。そのため、初動でファンタジスタを使用しており且つズシンが既に手札にある場合に、イゾルデやローランで手札に加えて狙っていく形となります。
③ 《天威無双の拳》《禁じられた一滴》
上記の2枚ですが、《真紅眼の黒刃竜》で止められないカードや通したくないカードへの抑止力としての採用になります。
《天威無双の拳》はフィールド上に呪眼の眷属トークンが存在すると発動できるカウンター罠であり、初動で使う《おろかな副葬》から《天幻の龍輪》を落としてアクセスできるのが魅力です。②の効果も魅力的なのですが、エクストラの圧迫を理由に今回は使わない方針としています。
《禁じられた一滴》は焔聖騎士や《真紅眼の黒刃竜》の効果でコストを簡単に用意できるため非常に使い勝手がいいです。昨今は通すと負けが確定するような状況が増えてきているので、このカードが入っているだけでも安心感が違いますね。使われたら逆切れ隊長になります。
採用カード
魔法・罠カード
装備魔法について、イゾルデの効果でレベル4焔聖騎士にも対応できるように4種類以上採用しています。ここでは前章で紹介したカード以外について記載していきます。
《聖剣カリバーン》は呪眼カードや《ヴァイロン・スフィア》でのライフロスを軽減するための採用です。ほかの聖剣装備魔法でもいいのですが、ズシン降臨の前にライフを詰められて負けることも多かったためこちらにしています。
《再融合》は《真紅眼の黒刃竜》の蘇生札として採用しています。黒刃竜のコストとして墓地へ送ると完全蘇生となるため非常に相性がいいです。これはWikiが教えてくれました。
《メタルシルバー・アーマー》ですが、装備モンスター以外を対象にできなくなる凶悪な効果を持っています。つまり《セレンの呪眼》を装備したトークンやズシンに装備したりすると、相手は一切のモンスターを対象にできなくなります。犯罪一歩手前です。ここに《真紅眼の黒刃竜》を並べると《メタルシルバー・アーマー》すら破壊が難しくなります。これで僕は貴重な友人を2人ほど失いました、ごめんな。
呪眼カードについてですが、コンボに必要な《セレンの呪眼》《ゴルゴネイオの呪眼》は各1枚、《眷現の呪眼》はあるだけズシン降臨のチャンスになるので3枚としています。《眷現の呪眼》が既にある場合に合わせて、相手の伏せに干渉できる《惨禍の呪眼》を採用しています。
ほかにも候補としては《断罪の呪眼》や《妬絶の呪眼》が挙がりますが、デッキの性質上魔法・罠ゾーンが埋まりがちになるため、すぐに使用できるこちらを優先しています。
《おろかな副葬》は序盤・中盤・終盤と隙なく役割があり、腐ることがないため3枚フルで採用しています。本デッキで対応しているカードは《天幻の龍輪》・《U.A.ペナルティ》・《聖剣の導く未来》となっており、中でも《聖剣の導く未来》は《焔聖騎士-モージ》にて回収ができるため何度も利用できて損がありません。
最近はこのカードを使う機会が多く枚数比には中々苦悩しますが、今回のように初動・展開と複数の役割を持たせられれば理想ですね。複数の役割を持つカードが多いほど安定に繋がるといった自論があるため、こういったカードはかなり好みです。
エクストラデッキ
基本的には展開のために採用しているカードが占めているため、ズシンの降臨が狙えないような状況となった場合でも戦えるよう《混沌の戦士 カオス・ソルジャー》や《焔聖騎士帝-シャルル》といった対応力の高いカードを採用しています。超打点のモンスターなどのようにこれらでも対処できない場合は、死ぬ気でズシンが出ることを祈ります。
《焔聖騎士導-ローラン》の枚数ですが、イゾルデを作る際に「《昇華騎士-エクスパラディン》+SSできる戦士族」のように戦士族を3体分用意できるのであれば、シンクロ召喚を経由してハリファイバーまで繋がるため2枚としています。その場合だとズシン2枚に加えて《切れぎみ隊長》や《U.A.パーフェクトエース》を準備できるため、さらに強固な盤面を構えることが可能となります。
《クロシープ》は《地霊術-「鉄」》のコストに使うことが目的なので競合先として《リプロドクス》がありますが、焔聖騎士や《ヴァイロン・スフィア》のようにアドバンテージに繋がるカードも多いためこちらを優先しています。
あとがき
本デッキ【呪シン】の紹介は以上となります、ここまで読んでいただきありがとうございました。ここからはあとがきとなるのでご自由に。
デッキ名についてですが、呪眼とズシンをそれっぽく合わせてみたらいい感じになってので割と気に入っています。ちなみに3秒くらいで考えた自信作です。
《眠れる巨人ズシン》のデッキと聞くと、見た目の派手さや合理性から1ターンで出しきるのがやはり印象に残りやすいと思います。それの逆張りではないですが、如何にズシンを狙いつつ合理的に戦えるかを求めた結果がこれなので、ズシン学会の皆様は是非何かしら参考にしていただけると幸いです。
また、呪眼やU.A.といった出張パーツとしてはあまり見かけないテーマを少ない数でギミックに落とし込めたことにも内心満足しています。こちらについても少しは皆様の参考になると嬉しいですね。こういった知見は共有するに越したことはないので。
今後の予定ですが、新しく作ったデッキがまだ2つほどあるので、それの紹介記事も近いうちに上げたいなと考えています。ここ最近、遊戯王ブログが活発でクオリティの高い内容が多く見受けられるので、それに負けないよう頑張りたい所存です。一応これでも3年以上は投稿している身ではあるので。
また、感想やご意見・ご質問などいただけるとモチベーションの向上に繋がるので、よろしければ是非お願いします!過去の記事についてもぜひ見ていただけると嬉しいです。デッキレシピの最新版ですが、遊戯王ニューロンでリン酸(@wynn_h3po4)で検索すると出てくるのでどうぞ。
さて、今年も始まって間もないですが、昨今の情勢に負けないように皆さんで遊戯王を盛り上げていきましょう!勿論、いい意味でね?
それでは、また。