リン酸の語り処

遊戯王OCG考察・構築案の物置です。

【Shift style】デッキ紹介&解説

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初めましての方は初めまして、そうでない方はいつもありがとう。どうも、リン酸と申します。

リモートデュエルが主流となる中、どうやってもリモートに向かないデッキばかり仕上がっていくので憂さ晴らしとして記事にまとめることとします。誰それ構わず八つ当たりよ。

 

今回紹介するデッキは《ヤジロベーダー》と《奇采のプルフィネス》を中心に組み上げたコンボデッキになります。コンボ主体の構築ではありますが、それ以外でもしっかり戦える構成に仕上げています。それぞれ何かしらの参考になれば幸いです!

 

Shift Style】(2021.10制限)

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コンセプト

まず初めに、本デッキはヤジロベーダー》による無限ループでの勝利を目的としています。

ヤジロベーダー》の無限ループとして有名なものに、相手フィールドに《ヤジロベーダーを送りつけて自分の《鬼動武者》を破壊し続ける動きがあります。ここに《極氷獣アイスバーグ・ナーワル》を添えると無限に反復横跳びすることで600ダメージを与え続けられるため、相手がいかなるライフであろうともそのまま勝ちに繋がります。まさに死の舞踊。

動きについてまとめると以下のイメージです。

 

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ヤジロベーダー》の送りつけ手段については《転晶のコーディネラル》と《亜空間ジャンプ装置》を選んでいます。詳細については後ほど。

もちろん《ヤジロベーダー》を送りつけずに自分フィールドで暴れされるのも強いため、状況に合わせて使い分けます。

 

基本的には上記ループコンボを目指して戦うのが本デッキの方針になります。そのために各カードへのアクセスはそれぞれ以下のように行います。

・《ヤジロベーダー》→溟界

・《極氷獣アイスバーグ・ナーワル》→《やぶ蛇

=《奇采のプルフィネス》or《天獄の王

・《鬼動武者》→レベル5+2の組み合わせ

 

 

主な動き

初動

本デッキの初動について。特定のルートを設けているわけではないですが、以下の組み合わせのうちどれか手札に有れば安定するといった所感になります。

 1. 《溟界の滓-ヌル》+爬虫類族

 2. 《溟界の滓-ナイア》+レベル4以下

 3. 《奇采のプルフィネス

 

上記の1,2についてはどちらも同じ終着点となり、ハリファイバー+《フルール・ド・バロネス》になります。

 

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ヌル,ナイア,《溟界の黄昏-カース》,《溟界の蛇睡蓮》の組み合わせにチューナーである《レプティレス・コアトル》が絡むことでハリファイバーを作れるため、カースと呼び出したレベル2チューナーでバロネスを作る…といった運びとなります。

また、相手ターンにバロネスカースに変換した後ハリファイバーの効果で《フォーミュラ・シンクロン》を出し、再度バロネスシンクロ召喚する動きが個人的に気に入っています。やられるとたまったもんじゃないでしょうが。

 

3の動きの場合は《奇采のプルフィネス》の効果で《相剣暗転》を除外し、レベル9シンクロの《幻竜星-チョウホウ》で場を繋ぐ形になります。遊戯王が上手い人ほど勝手にチョウホウを警戒してくれるため、デッキに幻竜族が0枚であっても勝手にヘイトを買ってくれるのは良いです。

 

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他のレベル9シンクロでもいいのですが、素引きしてしまった《相剣暗転》を使えることに加えて、《レベル・レジストウォール》との兼ね合いから《星風狼ウォルフライエ》等は選択肢から外しています。

 

 

溟界

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ヤジロベーダー》へのアクセスを目的として溟界を採用しています。また、上記の役割に加えてコンボ成立までの戦線維持を担っています。

“メイカイ”を名乗るだけあって墓地リソースの確保に長けており、初動〜終盤まで腐ることなく仕事し続けるのは僥倖ですね。現状だと爬虫類族が絡む動きなら自然に組み込める程度にはサポートとして強力だと感じます。

 

溟界の採用枚数については、初動としてカウントできる《溟界の滓-ヌル》と《溟界の滓-ナイア》は各2枚、それ以外は最低限で機能するため各1枚としています。

初動に重きを置くならばヌルナイアの枚数は3枚でもいいと思いますが、後半の被りを懸念して現状の枚数としています。

 

溟界の黄昏-カース》や《溟界の昏闇-アレート》は自身の効果での蘇生だとかなり痛いデメリットがあるものの、《戦線復帰》や《フルール・ド・バロネス》で蘇生する分にはデメリットが生じないため、状況により使い分けます。

本レシピだと《溟界の昏闇-アレート》+《ゾンビキャリア》で《フルール・ド・バロネス》になるため、この動きを繰り返すことでリソース・戦線共に維持しやすくなっています。

 

 

奇采のプルフィネス

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奇采のプルフィネス》について、本デッキでは以下の役割を期待した採用となっています。

  ①《やぶ蛇》等の通常罠カードへのアクセス

  ②《相剣暗転》と合わせたレベル9,10シンクロ

 

①について。

コンボ成立に必要な《極氷獣アイスバーグ・ナーワル》ですが、シンクロ素材の指定が少し厳しいため《やぶ蛇》の効果で特殊召喚する方針に絞っています。その《やぶ蛇》を持ってくる手段としてプルフィネスを採用しています。

悪魔嬢リリス》のように直接フィールドに用意するわけではないですが、リリスと違って複数枚採用せずとも任意の罠に触ることが出来ます。

当然プルフィネスが“相手によって”破壊される必要はありますが、《ヤジロベーダー》を送りつけていればそれも問題なし。なんせ“相手の”《ヤジロベーダー》が勝手に反応して破壊してくれるため、自ずとその条件は満たされます。

 

加えて②にある通り、プルフィネスの効果で《相剣暗転》を除外することでレベル4チューナーが用意でき、プルフィネス自身がレベル5 or 6になるため、レベル9,10のシンクロに繋がります。これによりコンボのみだけでなく戦線維持にも貢献できることが非常に大きいです。比較対象となる《悪魔嬢リリス》との大きな差別点と言えるかと。

上記で説明した溟界から《フルール・ド・バロネス》へ繋ぐ動きと併用して、溟界プルフィネスと相互に切り替えられるため、プルフィネスがコンボ以外でも役割を失わないようにしています。

 

鬼動武者

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特筆する動きがあるわけではないですが、レベル5+2の組み合わせで出すことを想定しています。あと露骨に警戒されるので、基本的にはコンボ直前まで出すことはありません。

レベル2は《水晶機巧-ハリファイバー》から呼び出せる《フォーミュラ・シンクロン》が殆どです。レベル5は《奇采のプルフィネス》やヤジロベーダーによる破壊から特殊召喚できる《アーティファクト-モラルタ》になります。

アーティファクト-モラルタ》や《フォーミュラ・シンクロン》はアクセスしやすいことに加え、《戦線復帰》からコンボに関係なく仕事をしてくれる点が気に入っています。

 

 

カード紹介

ヤジロベーダーの押し付け方

コンボ成立に必ず必要な《ヤジロベーダー》を相手フィールドに送りつける手段についてですが、前述の通り《転晶のコーディネラル》および《亜空間ジャンプ装置》を採用しています。

 

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昨今の押し付け界隈の革命児と呼ばれる《転晶のコーディネラル》ですが、如何に自身のリンク先に相手モンスターとヤジロベーダーを用意するかが課題になります。《No.29 マネキンキャット》で闇属性蘇生→ヤジロベーダーをリンク先に蘇生すると条件が整うため、この動きを積極的に狙うことが多いです。

それ以外だと、《溟界の黄昏-カース》の自己蘇生時の効果で相手がモンスターを蘇生した場合、カースで蘇生した《溟界の漠-フロギ》の効果で入れ替える事でコーディネラルのリンク先に的を用意できます。恐らく最も使われない溟界であるフロギですが、単体で完結しており且つコンボ性が高いので非常に面白いカードだと思います。

 

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もう1枚の《亜空間ジャンプ装置》については、通常罠で最も発動しやすいコントロール転移といった点から採用しました。爬虫類族主体のため、《エーリアン・ソルジャー M/フレーム》のようにAカウンターを置くカードには繋げやすいので。コンボに関係なく使って強い点も魅力です。

 

ここで押し付け界隈の方なら不思議に感じているであろう事ですが、《ギブ&テイク》の不採用についてです。確かに押し付けにおいてこれ以上に便利なものは無いと思います。ただ、押し付け以外の仕事の圧倒的少なさに加えて、《ギブ&テイク》が見えた時点で相手は過剰に警戒するためコンボが通りづらいと感じ、今回は不採用に至りました。《ヤジロベーダー》は真ん中を塞がれるだけで一生出てこれないので…。

 

押し付け界隈について少し熱くなってしまいました。この機会に皆さんも是非足を踏み入れてみてください。

 

 

メインデッキ

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上記コンボに関係するカード以外について。

 

モンスターカード

黒き森のウィッチ》は《レベル・レジストウォール》から選択肢を広げるカードとして採用しています。《奇采のプルフィネス》を筆頭に《エーリアン・バスター》や《キラー・スネーク》と痒いところに手が届くカードに触れるため腐ることは体感少なめ。

 

イピリア》は《No.29 マネキンキャット》に繋げるための採用になります。主に《ゾンビキャリア》と合わせるため、手札コストの確保ができる点が非常に大きい。初めて見た時は誰が使うねんと思ってましたが、手札が枯渇気味なため今となっては欠かせない存在と言っても過言。

 

ネコマネキング》は《ヤジロベーダー》の押し付けコンボの際に《やぶ蛇》から呼び出す選択肢の一つです。コンボが決まっても勝ち切れない場合に出す用ではありますが、正直採用するかは好みだと思います。

一度だけ相手のデッキ破壊に反応して命拾いしたことがあるため、それ以来外せなくなりました。最早お守り枠みたいになってます。

 

絶対王バック・ジャック》についてはプルフィネスを墓地に送れる《悪魔の嘆き》と合わせた採用ですが、《レベル・レジストウォール》のレベル調整枠としても役立ちます。また、墓地に落ちてほしくないカードは全てサーチできるので、基本的にいつ効果を使ってもいいようにしています。

数年前の自分の構築を知っている人ならお馴染みなのですが、「バックジャック+嘆き」は一時期全デッキに入れる程には好きな組み合わせでした。今でも隙あらばねじ込めないか検討してます。

 

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魔法・罠カード

レプティレス・リコイル》について。

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役割の終わったヌルナイアを《ヤジロベーダー》や《溟界の昏闇-アレート》を変換でき、バロネスシンクロ召喚やコンボに繋げる動きがメインになります。②の効果は《相剣大公-照英》と合わせるとすごく強いのですが、人の心を失うのでたまにしかやりません。

天獄の王》→《レプティレス・ラミフィケーション》で触れて且つ役割としては上振れ枠のため、1枚のみの採用としています。

 

 

先述した以外の通常罠について。

戦線復帰》は汎用性に富んでいることに加えて名称ターン1の制限がないため、コンボ成立までゴリ押せることもあり採用しています。コンボ成立に大きく寄与する《ブービーゲーム》で2枚セットすることもしばしば。

同じく名称ターン1の制限がなくリンクモンスターを蘇生できる《逢魔ノ刻》も候補ですが、コンボ成立にリンクが殆ど絡まないため不採用としています。

 

ブレイクスルー・スキルは《迷い風》や《巨神封じの矢》と比較されることが多いですが、このデッキでは「自分ターンにいつでも発動できる」「エンドフェイズ時に効果無効が戻る」という点から採用しています。特に後者については、押し付けた《ヤジロベーダー》を一時的に無効にして展開するといった芸当が可能になるため、上記2枚との大きな差別点となります。

まぁ、1番の理由は所持している米版レリーフを使いたいからです。傷有りですがカッコいいんですよね。

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エクストラデッキ

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アーティファクト・ダグザ》はヤジロベーダー押し付け時に《アーティファクト・モラルタ》を用意して、コンボ成立まで繋ぐための採用になります。コーディネラルで押し付け→奪ったモンスターとコーディネラルダグザを作る流れが多いです。

完全にコンボ用の枠なので他のカードで代用できないか、《聖邪のステンドグラス》と合わせるなど模索中です。

 

フルール・ド・バロネス》と《相剣大公-照英》は本デッキのエースであり、溟界プルフィネスの両方からシンクロ召喚しやすいのが強みになります。特にバロネスは除去・妨害・展開のどれをとっても使いやすいため、如何にバロネスを連発できるかがこのデッキにおける生命線になります。

言い換えれば、コンボが成立しなくともバロネスを通して様々な動きに切り替えられるのが本デッキの特徴とも言えますね。コンボデッキだからこそ、個人的には重視したいところでもあります。

 

 

あとがき

本デッキの紹介は以上となります。ここまでご覧いただきありがとうございました。あとはデッキに直接関係ないあとがきなので、お好きな方のみどうぞ。

 

ヤジロベーダーと聞くと某デュエル動画でもある通り、やはりコンボ寄りのイメージが非常に強いです。このデッキも例に漏れずバチバチにコンボデッキですが。その中で如何にコンボだけに固執せず纏めるかにはかなり苦心しましたが、溟界プルフィネスをうまく落とし込めたのもあり、自分としてもかなり納得いく形にまとめられました。

 

そもそもヤジロベーダーを使いたいと思ったキッカケですが、合法的に相手のカードをズラせるからです。相手のカードをズラすカードには《電送擬人エレキネシス》や《S-Force ジャスティファイ》なども

いますが、一番ズラせるのはやっぱりヤジロベーダーなんですよね。しかもズラすだけでデュエルに勝てる、なんと理想的なのでしょうか。

それなのに昨今はリモートデュエルしか出来ないので、このデッキを使っても1人で勝手にズラしてる寒いやつになってしまうのは甚だ遺憾です。早くオフ会でカードをズラせる日々が来ることを願っています。

 

デッキ名である【Shift Style】ですが、戦法がビートダウン(溟界)⇄コンボ(プルフィネス)と切り替わること、ヤジロベーダーが自分・相手フィールドと入れ替わり動くイメージから付けたものになります。

そして、「Shift=位置が変わる 」という意味でもあるため「ズラし」を体現した言葉になります。つまり「Shift Style」を意訳すると「ズラしの流儀」となるわけです。

 

カードをズラすのは勝利に拘る故である”

かのニーチェの名言をリスペクトしたものでもあるわけです。深いですね。

 

 

閑話休題

改めまして、最後までご覧いただきありがとうございました。何かしら皆様にとって良いものであればいいなと思う次第です。

 

 

 

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ここからは少し個人的な話を。

ここ最近ですが、僕自身新しくデッキを考える行為が難しくなりました。現在使いたいカードがないことに加えて、価値観やカードプールのアップデートが追いつかなくなったのが大きいです。というか新弾出るの早すぎて覚えられん、こちとらデッカス老害やぞ。

 

そのため、デッキ紹介が殆どであるブログの更新はしばらくないと思われます。元々あってないようなものですけど。また頑張ってヤジロベーダーみたいに追いかけていきますので、その際はどうぞよしなに。

別に遊戯王はすごく楽しいし離れるつもりはさらさらないので、デュエルの機会があればお声がけくださると嬉しいです!

 

それでは、またいつか。